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ゴマのモリブデンとセサミンの関係

ゴマに豊富なモリブデンとセサミンの役割は?

生活習慣病の予防やアンチエイジングに効果があるセサミンを含有し、健康食品として注目を浴びているゴマ。
古くから「食べる丸薬」と言われ、セサミン以外にも様々な栄養素が凝縮されています。

ゴマに豊富な栄養素の中には、モリブデンという普段耳慣れない栄養素が含まれています。
ゴマに含まれるモリブデンはどのような効果があり、セサミンと関わりがあるのでしょうか?
今回は、ゴマに含まれるモリブデンとセサミンの関係についてお話します。

モリブデンとは

モリブデンは体内で合成できず、体の機能維持に食事での摂取が必要な16種類の必須ミネラルの一つです。
ゴマはモリブデンが豊富で、100gあたり92μg含有し、これは成人男子が1日に推奨される摂取量の307%に相当します。

人体に必要なモリブデンの量は微量で、他の食品にも含まれているので、普段不足する栄養素ではありません。
しかし、不足すると体の不調の原因となるので、普段からモリブデンが豊富なゴマを摂取していれば不足することはありません。

モリブデンの役割

普段から不足が叫ばれる鉄やカルシウムと異なり、モリブデンは聞きなれない栄養素でその作用もあまり知られていません。
しかし、モリブデンは体の機能を維持するために必要不可欠なミネラルです。
モリブデンの役割は、以下の4つです。

酸化還元酵素の補酵素

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モリブデンはキサンチンオキシターゼ、アルデヒドオキシターゼ、亜硫酸オキシターゼといった酸化還元酵素の補酵素として作用します。
キサンチンオキシターゼは尿酸の代謝に、アルデヒドオキシターゼと亜硫酸オキシターゼは、皮膚のたんぱく質の合成に必要な含硫アミノ酸のシステインとメチオニンの代謝※1に関与します。

※1 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質の物質に変えること。

糖質や脂質の代謝

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糖質や脂質を代謝する酵素の、構成成分になります。

貯蔵鉄の運搬

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モリブデンは別名「貧血のミネラル」と呼ばれ、赤血球の主成分であるヘモグロビンの合成の際に鉄が不足すると、肝臓に貯蔵していた鉄を骨髄の造血幹細胞へ運ぶ作用があります。

銅の排泄

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モリブデンは、銅を排泄する作用があります。
体内で銅が不足した状態でモリブデンを摂取すると、血中の尿酸が増える高尿酸血症になり、痛風の原因になります。
そのため、1日の摂取の上限が設けられ、男性で550μg、女性で450μgが上限です。

体内のモリブデン量

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モリブデンは体内に約9mgと少量ですが、酸化還元酵素が働く肝臓と腎臓に多く分布しています。
体内はモリブデンを一定の濃度に保つようになっているため、過剰に摂取した場合は体外に排泄されます。

ゴマに含まれるセサミンの効果

セサミンはポリフェノール性の物質であるゴマリグナンの一種で、油に溶ける脂溶性の抗酸化物質として作用します。
また、女性ホルモンと分子構造が似た植物エストロゲンの一種にも挙げられます。

セサミンとモリブデンの相乗効果

ゴマに含まれるセサミンとモリブデンは、肝臓と深く関わりがあります。
セサミンとモリブデンがどのような関係があるのか、詳しく見てみましょう。

肝臓と活性酸素

肝臓とモリブデン

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肝臓は生体のエネルギーを生産する器官で、糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素をエネルギーに代謝します。
モリブデンは糖質、脂質を代謝する酵素の補酵素として作用します。
また、モリブデンが補酵素として作用するキサンチンオキシターゼ、アルデヒドオキシターゼ、亜硫酸オキシターゼは肝臓で作用します。

モリブデンが関与する酵素は活性酸素を作る

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モリブデンが補酵素として作用する酵素は、その代謝の過程で人体に有害な活性酸素※2を生産します。
生体で発生する活性酸素の8割が、肝臓で生産されていると言われています。
活性酸素は肝臓の組織に炎症を起こしたり、細胞内で遺伝子を司るDNAやRNAを破壊したりするため、肝臓では様々な抗酸化物質が作用し、活性酸素の害から肝臓を守っています。

※2 活性酸素とは、電子が欠損した物質として不安定な酸素のこと。他の物質と結合することで物質としての安定化を図るため、普通の酸素に比べ化学反応が早い性質があります。

セサミンは肝臓で抗酸化物質として作用する

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セサミンは、そのままだと抗酸化物質としてほとんど作用しません。
セサミンは小腸で吸収され、肝臓に運ばれるとカテコール体に代謝され、抗酸化物質として活性化します。

セサミンは自らも抗酸化物質として作用する以外に、肝臓で抗酸化物質として作用するビタミンEやグルタチオンを活性化する作用もあります。
そのため、モリブデンが補酵素として作用する酵素が発生させる活性酸素を除去し、肝機能を保つ効果があります。

セサミンとモリブデンは二日酔いを緩和する

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酒類に含まれるアルコールは人体では毒物と見なされ、肝臓のアルコール脱水素酵素とアセトアルデヒド脱水素酵素により、無害な酢酸と炭酸ガスに代謝されます。

モリブデンが補酵素として作用するアルデヒドオキシターゼは、アルコールを代謝する際に必要不可欠な成分です。
さらに、亜硫酸オキシターゼは細胞のミトコンドリアでエネルギーを生産する際に必要な酵素で、アルコールを代謝する際に必要なエネルギーを生産します。

セサミンは、日本人が先天的に生産量の少ないアセトアルデヒド脱水素酵素の量を3~4倍に増やす作用があり、アルコールの代謝を促進します。
その結果、アルコールの代謝が促進され、二日酔いによる諸症状の緩和につながります。

まとめ

ゴマは、必須ミネラルのモリブデンの含有量が豊富です。
モリブデンは鉄の運搬や銅の排泄に関わり、酸化還元酵素の補酵素や糖質と脂質のエネルギー代謝で補酵素となる成分の構成物質になります。
モリブデンが関与する酵素は、肝臓で活性酸素の発生原因となるので、抗酸化作用のあるセサミンを摂取すると、肝臓の機能を保つ効果があります。

また、モリブデンが関与する酵素はアルコールの代謝に必要で、セサミンもアルコールを代謝するアセトアルデヒド脱水素酵素を増やす効果があるので、二日酔いを緩和します。
ゴマに含まれるモリブデンとセサミンは、肝臓の機能を活性化する体に必要不可欠な栄養素です。

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