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セサミンはどんな栄養素?

セサミンはどんな栄養素?

最近、テレビや雑誌、新聞の広告などで目にするセサミン。
ゴマが原料で健康に良いということだけは何となく分かりますが、一体どういう成分でどのような効果があるのかは分からないのではないでしょうか?
今回は、初心者でもわかるセサミンの基礎知識についてお話します。

セサミンとは

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セサミンとは植物特有の化合物であるリグナンの一種で、ゴマやサンショウに含まれる栄養素です。
リグナンはゴマの他にも穀物にも含まれているため、ゴマに含まれるリグナンは「ゴマリグナン」とも呼ばれています。
セサミンはゴマに含まれる量が多く、サプリメントなどに使用されるセサミンは大抵がゴマ由来です。

ゴマのセサミン含有量

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ゴマに含まれるセサミンの含有量は品種や産地によって異なりますが、およそ100gあたり670~6350mgです。
また、ゴマ油にもセサミンは含まれており、凡そ1%がセサミンだと言われています。

セサミンは1日どれくらい摂ればいいの?

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セサミンの健康効果を得たい場合は、1日に8~10mgが目安とされています。
一般に、ゴマだけでセサミンを摂取しようとすると3000粒のゴマを食べなければならないと言われています。

セサミンの効果

セサミンが注目を浴びている理由は、抗酸化作用と植物エストロゲンの作用を併せ持った栄養素だからです。
これらの作用は、私たちの体にどのような健康効果をもたらすのでしょうか?

セサミンの抗酸化物作用

体内では活性酸素が発生する

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私たちの体内では、紫外線を浴びたり、細胞内のミトコンドリアが酸素を取り込んでエネルギーを生産したりすると活性酸素が生産されます。
活性酸素は電子が欠損した物質として不安定な酸素で、他の物質と結合することで物質としての安定化を図るため、普通の酸素に比べ化学反応が早い性質があります。

体内で発生した活性酸素は、脂質を過酸化脂質に変質させ分解し難くくしたり、体の組織に炎症を起こさせたりします。
また、活性酸素は遺伝子情報を司るDNAやRNAを傷つけ、細胞分裂が正確に行えないようにします。
そのため、活性酸素はシミやシワといった肌の劣化、動脈硬化や肝炎といった生活習慣病、アルツハイマー型認知症などの老化現象の原因になります。

抗酸化物質は活性酸素の害を抑制する

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このように、活性酸素は有害なため、体内ではグルタチオンやSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)など、活性酸素を取り除く様々な抗酸化物質が生産されています。
また、食物で抗酸化物質を摂取することで、活性酸素の害から身を守っています。
私たちが栄養素として摂取するビタミンA、ビタミンC、ビタミンEも、活性酸素を取り除く抗酸化物質です。

また、厚生労働省が定める必須栄養素以外にも、植物などの二次代謝産物※1に抗酸化物作用のある栄養素が多様に有ります。
ブルーベリーで有名なアントシアニン、お茶のカテキンやタンニンといった聞き慣れた栄養素も、実は抗酸化物質です。

加齢により体内で生産する抗酸化物質の量が少なくなると、活性酸素が徐々に体にダメージを与え、体の機能を劣化させます。
そのため、不足分を抗酸化作用のある栄養素を摂取することで、補う必要があります。

※1 二次代謝産物とは植物特有の成分で、生体の維持に必要は無いが、継続して摂取することで体に何かしらの作用がある栄養素のこと。

セサミンは脂溶性の抗酸化物質

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アントシアニンやカテキン、タンニンなど、植物に含有する抗酸化物質の多くが水溶性の抗酸化物質です。
同じ水溶性の抗酸化物質に、必須栄養素※2のビタミンCがあります。
しかし、水溶性の栄養素は体内に長く留まることができず、効果が持続しません。

※2 必須栄養素とは、体内で生産できない栄養素のうち、生体を維持するために食事で摂取が必要な栄養素のこと。

一方、セサミンは油に溶ける脂溶性の抗酸化物質で、必須栄養素のビタミンAやビタミンEと同じです。
脂溶性の栄養素は体内の脂質に侵入し、体内に長く留まり効果を発揮します。
実はセサミンは体内に吸収された時点では、抗酸化作用を発揮しません。
セサミンは吸収されると肝臓に運ばれ、そこで抗酸化作用のあるフェノール類の一種のカテコール体に代謝※3され、抗酸化作用を発揮します。

体内の活性酸素の8割は肝臓で発生します。
そのため、肝臓で直接抗酸化物質になるセサミンは、体内の活性酸素の除去にとても有効な栄養素です。

※3 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質の物質に変えること。

植物エストロゲン

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植物エストロゲンとはフィトエストロゲンとも呼ばれ、分子構造が女性ホルモンのエストロゲンに似た栄養素のことです。
代表的なものに、大豆が含有するイソフラボンなどがあります。
セサミンもエストロゲンと分子構造が似ており、植物エストロゲンの一つに数え上げられます。

更年期障害と女性ホルモン

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更年期障害は、加齢で女性ホルモンの分泌が減少すると発生します。
女性ホルモンは単に生理と関係するばかりではなく、女性の場合は新陳代謝※4や自律神経を正常に機能させる役割も担っています。

※4 新陳代謝とは、古い細胞を分解し、細胞分裂で新しい細胞に入れ替えることで組織の機能を保つ生理現象のこと。

女性ホルモンの分泌が減少すると、新陳代謝が低下し皮膚や髪の毛のハリやツヤがなくなり、肥満になりやすくなります。
また、骨の新陳代謝も低下するので、骨が脆くなる骨粗しょう症のリスクが高まります。
さらに、自律神経が乱れるため、イライラや倦怠感と行った精神面の不安定さや、動悸、息切れ、めまいなどといった身体的な不調に悩まされるようになります。

セサミンはエストロゲンの代用になる

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植物エストロゲンは体内の細胞にあるエストロゲン受容体と結合し、エストロゲンが結合した時と同じ反応を引き起こします。
そのため、植物エストロゲンはエストロゲンの代用として活躍します。
ホルモンは、ほんの僅かな量でも体の機能に作用します。
植物エストロゲンであるセサミンを摂取すると、更年期で減少したエストロゲンの代用として、更年期障害の諸症状を緩和します。

セサミンが最近話題になった理由

皆さんがセサミンを耳にするようになったのは、ここ最近ではないでしょうか?
実際に、セサミンが私たちのような一般の消費者に紹介されるようになったのは平成5年からなので、歴史が浅い栄養素です。

セサミンは偶然発見された栄養素

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もともとセサミンは大手食品企業が、必須脂肪酸のアラキドン酸の大量生産を目的に研究を進めていた時に偶然発見された物質です。
昭和60年、脂肪酸を代謝してアラキドン酸を生産する糸状菌のアルピナ菌が発見され、大豆油やゴマ油などでアラキドン酸を大量生産する実験が行われていました。
その中で、ゴマ油の時だけアラキドン酸が増えなかったため、その原因物質として発見されたのがセサミンです。
その後の研究の結果、セサミンは抗酸化作用と植物エストロゲンの作用を併せ持った物質であることが分かりました。

ゴマは脂質が多い

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ゴマは古くから「食べる丸薬」と呼ばれるほど健康効果が高い食品として認知されていましたが、その要因はよくわかりませんでした。
また、ゴマは健康に良いといっても、ゴマ油の原料になることからも分かるように、成分の半分以上が脂質です。
ゴマの脂質のほとんどが健康に良い不飽和脂肪酸といっても、そのまま摂取すると、脂質の摂り過ぎになってしまいます。
ゴマから直接セサミンを摂取しようとしても、ゴマの多すぎる脂質がその効果を邪魔してしまいます。

セサミンの抽出法が確立

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しかし、ゴマの健康成分がセサミンであることが判明すると、このセサミンさえ分離できればゴマの健康効果を得られることになります。
しかし、セサミンはゴマの1%しかない成分で、さらにゴマリグナンからセサミンだけを抽出するのは至難の業でした。
しかし、種々の有機溶剤を使い抽出、濃縮し、溶剤のみを蒸発除去する抽出分離法により、セサミンのみを抽出することが可能になり、平成5年にサプリメントとして製造販売されるようになったのです。

薬機法でサプリメントの健康効果は広告表記できない

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サプリメントで販売されている栄養素は、薬機法(旧薬事法、正式名称は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)では、広告の表現で健康効果を説明することを禁止しています。
なぜならサプリメントは健康食品という分類であり、特定の病気を治療するために開発された医薬品とは異なるためです。
セサミン自体は健康効果が高いといっても、学校の授業などで習うビタミンやミネラルといった旧来の栄養素と違い、どのような効果があるのか一般人には分かりません。
セサミンの健康効果が世間に浸透するには、20年近くの歳月が掛かっています。
実際に使用して効果があることが世間に知れ渡るに連れ、徐々に愛用者が増え、現在のように多くの方がセサミンの健康効果を体感しています。

まとめ

セサミンは、ゴマから抽出される、抗酸化物質と植物エストロゲンの効果を併せ持った二次代謝産物で、ゴマの成分の1%に満たない栄養素です。
セサミンは脂溶性の抗酸化物質として生活習慣病や老化の予防、美容効果を発揮します。
また、植物エストロゲンとして更年期障害に関わる諸症状を改善します。
セサミン自体は最近発見された栄養素のため、世間にその効果が浸透するまで時間がかかっています。
セサミンは、私たちの健康維持に様々な作用をもたらす栄養素です。

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