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ゴマに含まれる亜鉛とセサミンの関係

ゴマに含まれる亜鉛とセサミンはどんな関係があるの?

ゴマは古くから「食べる丸薬」と呼ばれるほど健康に良い食品として知られ、最近では生活習慣病の予防やアンチエイジングに効果のあるセサミンが含まれていることが発見され、ますます注目が集まっています。
ゴマはビタミンやミネラルなど様々な栄養素が凝縮されており、その中には亜鉛も含まれています。
亜鉛は私たちの体の健康を保つためにどのように作用し、セサミンと何か関係があるのでしょうか?
今回は、ゴマに含まれる亜鉛とセサミンの関係についてお話します。

亜鉛とは

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亜鉛は体内で生産することができず、食事での摂取が必要な16種類の必須ミネラルの一種です。
亜鉛は体内に約2g存在し、主に骨格筋、骨、肝臓、皮膚、脳、腎臓、生殖器など、細胞分裂が盛んな部位に多く存在しています。

亜鉛の役割

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亜鉛は体内で様々な役割を果たすミネラルです。
亜鉛の主な役割は
(1)数百種類に及ぶたんぱく質や酵素の構成成分
(2)遺伝子情報を司るDNAの合成や、正確な細胞分裂の発現
(3)アミノ酸やたんぱく質の代謝※1
(4)神経細胞内の情報伝達物質
などが挙げられます。

※1 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、異なる性質の物質に変えること。

亜鉛が欠乏すると起こる症状

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亜鉛が体内で不足すると、細胞分裂、各種ホルモンや酵素の生産、神経系や免疫系の維持ができなくなります。
その結果、新陳代謝※2や成長が阻害され、皮膚炎や、生殖機能の低下を引き起こします。
また、味覚障害や神経感覚障害、認知障害、低アルブミン血症など様々な機能障害が発生します。

※2 新陳代謝とは、古い細胞を分解し、細胞分裂で新しい細胞に入れ替えることで、組織の機能を保つ生理現象のこと。

亜鉛の過剰摂取で起こる症状

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日本人として普通の食生活を送っている限り、亜鉛の過剰摂取になることはまずありません。
ただし、亜鉛に性機能改善効果があるので、サプリメントなどで慢性的に亜鉛を過剰摂取していると、拮抗作用のある必須ミネラルの銅の吸収が妨げられます。
その結果、貧血や抗酸化物質のSOD(スーパーオキシドディズムターゼ)の活性不足などを引き起こします。
そのため、亜鉛の摂取には制限が設けられ、1日あたり成人男性で45mg、成人女性で35mgが上限とされています。

ゴマの亜鉛の含有量

ゴマは、亜鉛を100gあたり5.5mg含有しています。
これは、成人男子が1日に推奨される摂取量の55%に相当します。

亜鉛は鉄やカルシウムと並び、日本人の食生活で不足しがちな栄養素です。尚且つ吸収率が悪く、体調にも左右されますが、吸収率は30%程度です。
亜鉛は腸内粘膜などにも含まれ、腸粘膜の剥脱により平均で3mg程度が糞便と共に排泄されます。
そのため、毎日の摂取が必要になります。

ゴマに含まれるセサミンの効果

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セサミンはゴマの全成分の1%に満たない栄養素で、ゴマリグナンと呼ばれるポリフェノール性物質の一種です。
セサミンは油に溶ける抗酸化物質と、女性ホルモンのエストロゲンと分子構造が似た植物エストロゲンの作用を併せ持った物質です。

ゴマの亜鉛とセサミンは肝臓で相乗効果を発揮

ゴマの亜鉛とセサミンは、共に肝臓と深く関わりが有り、肝臓の機能維持とアルコールの代謝に効果を発揮します。
ゴマの亜鉛とセサミンが、肝臓にどのように作用するのか詳しく見てみましょう。

ゴマの亜鉛とセサミンは肝機能維持に効果を発揮

肝臓は活性酸素を大量に生産する

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肝臓は「生体の化学工場」と呼ばれ、一つの臓器で様々な役割を担う器官です。
肝臓の重要な機能の一つが、生体のエネルギーの生産です。
肝臓の細胞内にあるミトコンドリアは、栄養素と酸素を取り込んでエネルギーを生産しますが、その副産物として活性酸素※3が生産されます。

※3 活性酸素とは電子が欠損し物質として不安定な酸素のこと。他の物質と結合して物質としての安定化を図るため、普通の酸素に比べ化学反応が早い性質があります。

また、肝臓は体中に酸素を運ぶ赤血球の主成分である鉄を貯蔵する器官でもあります。
鉄もまた酸化することで、自ら活性酸素を発生するようになります。
そのため、生体で発生する活性酸素の実に8割が肝臓で生産されていると言われています。

活性酸素は肝機能低下を招く

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活性酸素は有害な物質で、肝臓の組織と結合して変質させ、肝機能を低下させます。
しかし、活性酸素により肝炎が慢性化すると、肝臓の細胞の再生能力が低下します。
また、肝炎が続くと、肝臓の細胞が線維化して硬くなる肝硬変を引き起こします。
肝硬変になると肝臓の細胞の再生能力が失われ、それと共に肝機能も喪失し完治が難しくなります。

亜鉛は肝機能を回復する

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肝臓では、毒物の解毒や活性酸素の影響で、多くの肝臓の細胞が毎日死んでいます。
亜鉛は細胞分裂で組織の機能を回復する新陳代謝に必要な栄養素で、肝臓の細胞分裂を活性化する作用があります。
実際に、肝臓に存在する亜鉛の量は他の組織に比べても多く、肝臓の細胞分裂を活性化して死んだ細胞の機能をいち早く穴埋めし、肝臓の機能を保ちます。
肝臓は再生能力が高く、肝臓の2/3を切除したとしても、肝細胞が正常であれば数ヵ月後には元の大きさに戻ります。

セサミンと亜鉛は肝臓の活性酸素の除去を行う

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肝臓では様々な抗酸化物質が作用し、活性酸素の除去に使用されます。
セサミンも、肝臓で作用する抗酸化物質の一つですが、そのままでは抗酸化物質としてほとんど作用しません。
セサミンは小腸で吸収されると肝臓に運ばれ、そこでカテコール体に代謝されて抗酸化物質として活性化します。
セサミンは自らが抗酸化物質として作用する以外に、肝臓で生産される抗酸化物質のグルタチオンや、同じく肝臓をはじめとした体の各所で作用する脂溶性の抗酸化物質であるビタミンEを活性化します。

また、亜鉛は肝臓で生産される抗酸化物質のSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)の原料となります。
亜鉛を原料としているSODは細胞内に無数に存在し、ミトコンドリアが生産した活性酸素と素早く結合し、無害化します。
セサミンと亜鉛の抗酸化作用で、肝臓で発生する活性酸素が除去され、肝機能が維持できるようになります。

セサミンと亜鉛は二日酔いを予防

二日酔いの仕組み

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アルコールは体内では毒物とみなされ、肝臓で分解されます。
肝臓に運ばれたアルコールは、まずアルコール脱水素酵素でアセトアルデヒドに代謝されます。
アセトアルデヒドは、次にアセトアルデヒド脱水素酵素で無害な酢酸と炭酸ガスに代謝され、無害化されます。
この時に、アセトアルデヒドは非常に有害な物質で、肝臓の組織と結合しやすく、アセトアルデヒドと結合した組織は変質化し、その機能を失います。

そのため、アルコールの無毒化は、肝臓の他の機能を差し置いて、最優先で行われます。
その結果、肝臓のエネルギー生産や体内で発生する有害なアンモニアの無毒化が後回しになり、疲労の蓄積や倦怠感といった二日酔い特有の症状に見舞われます。

亜鉛はアルコール脱水素酵素の構成成分

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亜鉛は、アルコールを代謝する際に必要な、アルコール脱水素酵素の構成成分です。
肝臓の亜鉛が不足すると、アルコール脱水素酵素を十分に生産できなくなるので、アルコールの代謝が遅れて二日酔いになります。

セサミンはアセトアルデヒド脱水素酵素を増やす

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日本人は欧米人に比べお酒に弱いと言われるのは、先天的にアセトアルデヒド脱水素酵素を生産する能力が低いためです。
セサミンは、アセトアルデヒド脱水素酵素の量を3~4倍に増やす作用があるので、肝臓でのアルコールの代謝を促進します、 亜鉛とセサミンを含有するゴマは、アルコールを代謝する酵素を増やすので、アルコールの分解を早め、二日酔いの諸症状を緩和する効果が高い食品です。

まとめ

胡麻に豊富な亜鉛は、たんぱく質や酵素の構成成分、アミノ酸やたんぱく質の代謝、神経伝達物質などに使用され、細胞分裂の際に遺伝子情報を正確に複製するなど、新陳代謝と深い関係のある栄養素です。
セサミンと亜鉛は肝機能と深い関係が有り、共に肝臓で活性酸素の除去に使用される抗酸化物質として作用します。さらに亜鉛は、活性酸素で損傷した肝臓の細胞を、新陳代謝を活性化することで再生させる作用があります。

また、亜鉛とセサミンは肝臓でアルコールを代謝する酵素と関係するので、アルコールの解毒を早め、二日酔いを軽減する作用もあります。
ゴマに含まれる亜鉛とセサミンは、加齢やストレスで衰えやすい肝機能維持に効果を発揮する栄養素です。

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