セサミンと一緒に摂りたいαリノレン酸
セサミンとαリノレン酸は相乗効果がある
生活習慣病の予防やアンチエイジングに効果があることで、最近注目を浴びているセサミン。
各社から次々とセサミンを採用したサプリメントが販売されているため、健康維持に愛用されている方も多いでしょう。
折角セサミンを摂取するのなら、やはり相乗効果を見込める栄養素を一緒に摂取したいところです。
セサミンと一緒に摂取したい栄養素の一つに、αリノレン酸があります。
αリノレン酸はあまり聞き慣れない栄養素ですが、体の機能を維持するには摂取が必要な栄養素の一つです。
今回は、セサミンとαリノレン酸の相乗効果についてお話します。
αリノレン酸とは
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αリノレン酸は、栄養素として体の機能の維持に必要な、ω3系脂肪酸に属する必須脂肪酸です。
植物や微生物は、αリノレン酸を自ら生産することが可能ですが、人の体内ではαリノレン酸を合成できません。
αリノレン酸の役割
αリノレン酸は脂質なので、体内でエネルギーとして消費されます。
それ以外に
(1) 細胞膜の材料
(2) EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)の材料
になります。
これらは、体の組織を維持するために重要な成分です。
細胞膜の材料
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αリノレン酸は、私たちの体の細胞の細胞膜を構成するリン脂質の材料になります。
EPA・DHAの材料
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αリノレン酸の10~15%が、体内でEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に代謝※1されます。
EPA・DHAは主に青魚などに多く含まれる必須脂肪酸で、EPAは動脈硬化のリスクを軽減し、DHAは脳の神経細胞を保護する作用があります。
※1 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質の物質に変えること。
αリノレン酸の健康効果
αリノレン酸は(1)血液をサラサラにし、(2)HDLコレステロールの減少とアレルギー反応を抑制する作用があります。
血液をサラサラにする
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αリノレン酸を含むω3系脂肪酸は、常温で固まりにくい性質があります。
αリノレン酸から生産されたEPAやDHAが血中に増えると、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールが減少し、血液がサラサラになります。
また中性脂肪やLDLコレステロールの減少は、血管内で血栓ができ難くなるので動脈硬化の予防につながります。
LDLコレステロールの減少とアレルギー反応の抑制
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同じ必須脂肪酸にはω6系脂肪酸があり、日本人は過剰摂取が指摘されています。
ω6系脂肪酸はLDLコレステロールを減らす作用もありますが、同時に善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールも減らしてしまいます。
また、ω6系脂肪酸はアレルギーを悪化させる作用もあります。
ω3系脂肪酸はω6系脂肪酸と競合的に作用するので、αリノレン酸を摂取するとLDLコレステロールだけが減り、アレルギー反応を緩和します。
ω3系脂肪酸の摂取目安量
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厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」2015年度版では、αリノレン酸を含むω3系脂肪酸の摂取量を、目安量として定めています。
1日当たり、男性では2.1g、女性では1.6gです。
αリノレン酸が多い食品
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αリノレン酸が多い食品は、エゴマやアマニの種から採れるエゴマ油やアマニ油です。
エゴマ油の58%、アマニ油の55%がαリノレン酸です。
他の種油では菜種から採れるキャノーラ油が10%、大豆油が8%と少なくなり、他の油では含まれていないか、含まれていてもごく僅かです。
また、αリノレン酸は、広葉植物で光合成に関わる組織である膜組織に含まれており、ホウレン草やチンゲン菜などの葉野菜からも摂取が可能です。
しかし、含まれている量は僅かなので、成人男性の1日の摂取の目安量を葉野菜だけで摂取しようとすると、ホウレン草なら約1.4kgも食べなければなりません。
ゴマのαリノレン酸の含有量
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ゴマはαリノレンを含有していますが、その量はごく僅かです。
ゴマ100gあたりの含有量は150mgに過ぎません。
また、精製したゴマ油でも100gあたり310mgしか含有していません。
ゴマのセサミンとの相乗効果を狙うには、他の食材から摂取する必要があります。
セサミンとαリノレン酸の関係
αリノレン酸は常温では固まり難い性質により血液をサラサラにする効果がありますが、一方で酸化しやすいというデメリットを持ち合わせています。
体内の細胞にはミトコンドリアがあり、栄養素と酸素を取り込んでエネルギーを生産すると、副産物として活性酸素※2が発生します。
※2 活性酸素とは電子が欠損した物質として不安定な酸素のこと。他の物質と結合することで物質としての安定化を図るため、普通の酸素に比べ化学反応が早い性質があります。
活性酸素は、一般の酸素に比べ物質を酸化させる速度が早いため、αリノレン酸を過酸化脂質化させます。
過酸化脂質はそれ自体も活性酸素を生産するため、体全体の組織の酸化を早めてしまいます。
そのためには、体内で発生する活性酸素を除去する必要があります。
セサミンは脂溶性の抗酸化物質
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セサミンはゴマ全体の僅か1%に満たない栄養素で、ゴマリグナンと呼ばれるポリフェノール性物質の一種です。
セサミンは脂溶性の抗酸化物質ですが、それ自体では抗酸化物質としてほとんど作用しません。
セサミンは体内に吸収されると肝臓に運ばれ、そこでカテコール体に代謝されると抗酸化物質として活性化します。
セサミンはαリノレン酸の酸化を抑制する
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セサミンの抗酸化作用は主に肝臓で発揮されます。
生体のエネルギーを生産する肝臓は活性酸素も多く発生し、生体で生産する活性酸素の8割が肝臓で生産されています。
αリノレン酸も吸収されると肝臓に運ばれますが、そのままでは肝臓で発生する活性酸素で酸化が促進されてしまいます。
セサミンは肝臓で自らが抗酸化物質として作用するばかりではなく、同じ脂溶性の抗酸化物質のビタミンEの作用も活性化し、肝臓の活性酸素を除去します。
その結果、αリノレン酸の過酸化脂質化が抑制され、血液をサラサラに保てるようになります。
αリノレン酸とセサミンは組織の老化を予防する
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αリノレン酸は、体の細胞の細胞膜を構成するリン脂質の材料です。
リン脂質が活性酸素で酸化すると、細胞膜が弱くなりウィルスなどが侵入しやすくなるばかりか、組織の老化も促進してしまいます。
セサミンは、このリン脂質の酸化を防ぐビタミンEを活性化するので、細胞膜の酸化を防ぎ組織の老化を予防します。
αリノレン酸とセサミンで血中コレステロールを減らす
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αリノレン酸をはじめとしたω3系脂肪酸は、HDLコレステロールは減らさずに、LDLコレステロールのみを減らす作用があります。
一方セサミンは、小腸で吸収されるコレステロールを抑え、尚且つ肝臓で生産されるコレステロールも減らす作用があります。
その結果、血液がサラサラになり、動脈硬化のリスクを軽減します。
まとめ
αリノレン酸はω3系脂肪酸に属する必須脂肪酸で、EPAやDHAの材料になる栄養素です。
αリノレン酸は細胞壁を構成するリン脂質の材料で、血液をサラサラにし、アレルギー反応を抑制する作用がありますが、活性酸素で酸化しやすいという欠点があります。
セサミンは抗酸化物質としてαリノレン酸の酸化を防ぎ、αリノレン酸と共に組織の老化を抑制し、血液をサラサラにする効果があります。
セサミンはαリノレン酸の欠点を補えるので、とても相性の良い栄養素です。
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