ゴマに含まれるマグネシウムとセサミンの関係
ゴマに豊富なマグネシウムはセサミンと関係あるの?
ゴマは古来「不老長寿の薬」と呼ばれるほど栄養が豊富で、最近では生活習慣病の予防やアンチエイジングの効果のあるセサミンを含有していることでも注目を集めています。
ゴマは様々な栄養素を含有していますが、その中でも必須ミネラルのマグネシウムが豊富です。
カルシウムやナトリウムなどは、テレビや雑誌などでよく特集されるので体への作用は分かりますが、マグネシウムの役割はよく知らない方も多いのではないでしょうか?
今回は、ゴマに含まれるマグネシウムとセサミンについてお話します。
マグネシウムとは
マグネシウムは体内で合成ができない栄養素で、生体の維持に必要な16種類のミネラルの一つです。
体内には約25gのマグネシウムが存在し、そのうち50~60%は骨に、20%前後が筋肉に、残りは臓器や細胞内液、脳、神経などに存在しています。
マグネシウムは海苔やワカメなどの海藻類、大豆や落花生などの豆類、アーモンドやカシューナッツなどのナッツ類に多く含まれています。
もちろん、ゴマもマグネシウムが豊富な食品の一つです。
マグネシウムの役割
マグネシウムは体の機能の様々な場所で機能し、私たちが生命を維持するために重要な役割を担う栄養素です。
マグネシウムの主な役割は、以下の通りです。
骨の形成
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カルシウムの陰に隠れて見逃されてしまいますが、骨の形成にはマグネシウムが必要不可欠です。
マグネシウムとカルシウムは拮抗作用があり、食物で両方の栄養素を補う時には、マグネシウム1に対してカルシウム2~3の割合が理想とされています。
各種酵素の補因子
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マグネシウムは体内で作用する酵素のうち、約300種類の酵素の働きを補因子としてサポートする役割があります。
特に、糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝※1を行う酵素の働きを促進する作用があります。
※1 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、性質の異なる物質に変えること。
たんぱく質や核酸の合成
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たんぱく質や核酸といった、細胞分裂に必要な素材の合成に関わります。
筋肉の収縮
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マグネシウムはカルシウムと共に筋肉の細胞内で情報伝達物質として作用し、筋肉の収縮を正常に保つ役割があります。
また、血管は平滑筋という筋肉でできているので、循環器系を正常に機能させる役割もあります。
コレステロールの調整
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マグネシウムは善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールを増やし、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールを減らす作用があります。
脳内ホルモンの調整
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マグネシウムは、人がストレスを感じた時に脳内で分泌される脳内ホルモンの合成、その抑制に使用されます。
マグネシウムが不足すると、精神的に不安定になり、自律神経も乱れます。
ゴマのマグネシウム含有量
ゴマはマグネシウムを100gあたり370mg含有し、これは成人男子が1日に推奨される摂取量の100%に相当します。
マグネシウムの体への吸収率は余り良くなく、普段は全体の30~40%程度です。
しかし、マグネシウムが内々で不足すると、70%程度まで吸収率が上がります。
セサミンとマグネシウムの相乗効果
セサミンはゴマの成分の1%に満たない栄養素で、ポリフェノール性の物質のゴマリグナンの一種です。
セサミンは油に溶ける脂溶性の抗酸化物質と、女性ホルモンのエストロゲンと分子構造が似た植物エストロゲンの作用を併せ持った成分です。
セサミンは、マグネシウムが行う骨の形成と、コレステロールの調整をサポートする作用があります。
セサミンがマグネシウムの作用とどのような関係があるのか、詳しく見てみましょう。
セサミンとマグネシウムは骨粗しょう症のリスクを軽減
女性の骨粗しょう症の原因はエストロゲン
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女性は更年期を迎えると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減り、骨粗しょう症のリスクが高まります。
女性の場合、エストロゲンが骨の新陳代謝※2に関与しているため、エストロゲンが減ると、カルシウムの吸収より骨からの流出の方が多くなり、骨がスカスカになり脆くなります。
※2 新陳代謝とは、古い細胞を分解し、細胞分裂で新しい細胞に入れ替えることで、組織の機能を保つ生理現象のこと。
マグネシウム不足は骨のカルシウムの流失を促進
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骨粗しょう症の予防にカルシウムの摂取ばかり推奨されますが、同時にマグネシウムを摂取しないと骨の合成が上手くいきません。
しかもマグネシウムが不足すると、時にその5倍ものカルシウムが骨から溶け出してしまいます。
そのため、骨粗しょう症の予防には、カルシウムと共にマグネシウムの補給がとても重要です。
セサミンは女性の骨の形成を助ける
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セサミンは植物エストロゲンとして体内で作用するので、更年期で減少したエストロゲンの代用となり、骨の新陳代謝を正常化します。
その結果、カルシウムによる骨の形成や、骨の新陳代謝によるカルシウムの流失が抑制され、骨粗しょう症のリスクを軽減します。
セサミンとマグネシウムは血中コレステロールを下げる
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マグネシウムは、コレステロールの合成を行うHMG-CoA還元酵素(ヒドロキシメチルグルタリルCoAレダクターゼ)の働きを阻害し、血中コレステロールを下げる作用があります。
マグネシウムは元々体に必要な栄養素なので、副作用の少ない血中コレステロールを下げる薬としても使用されます。
セサミンは小腸でコレステロールの吸収を阻害し、尚且つ肝臓でもコレステロールの合成も阻害する作用があり、血中のコレステロールを下げる効果があります。
血中コレステロールを下げる作用のあるセサミンとマグネシウムを豊富に含有するゴマは、血液をサラサラにし、動脈硬化による生活習慣病のリスクを軽減します。
まとめ
ゴマは骨の形成やたんぱく質の合成、筋肉の収縮、コレステロールや脳内ホルモンの調整など、生体の維持に様々な役割を果たすマグネシウムが豊富な食品です。
ゴマにはセサミンも含まれており、セサミンとマグネシウムは更年期障害による骨粗しょう症の予防と、血中コレステロールの低下に相乗効果を発揮します。
セサミンとマグネシウムを豊富に含有するゴマを料理の献立に上手に活用し、あなたの健康維持に役立ててください。
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