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ゴマに含まれるトリプトファンとセサミンの関係

ゴマに含まれるトリプトファンとセサミンは関係があるのか?

ゴマはビタミンやミネラルなどの様々な栄養素が凝縮され、古くから「食べる丸薬」とも言われています。
最近では、生活習慣病のリスクを軽減し、アンチエイジングの効果のあるセサミンが発見されたことでも注目を集めています。

ゴマに含まれている栄養素の中には、トリプトファンという成分が含まれています。
普段あまり聞き慣れない栄養素ですが、私たちの健康を保つために必要な栄養素です。
トリプトファンは体にどのように作用し、セサミンとは何か関わりがあるのでしょうか?
今回は、ゴマに含まれるトリプトファンとセサミンの関係についてお話します。

トリプトファンとは

トリプトファンを多く含む食品

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トリプトファンは体内で生産できないため、食物で摂取が必要な必須アミノ酸の一つです。
たんぱく質が多い食品ほどトリプトファンの含有量が多く、肉や魚、乳製品、豆類、ナッツ類などに豊富に含まれています。
しかし、他の必須アミノ酸に比べると、食品に含まれる含有量は多くありません。

トリプトファンの役割

トリプトファンは、糖質や脂質と共に肝臓でエネルギーとして代謝※1される以外に、主な役割として
(1)脳内ホルモンのセロトニンやメラトニンの原料
(2)ビタミンB群のナイアシンの原料
になります。

※1 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質の物質に変えること。

脳内ホルモンのセロトニンやメラトニンの原料

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トリプトファンは、脳がストレスを感じた時に分泌する脳内ホルモンのセロトニンの材料となります。
セロトニンは別名「幸せホルモン」と呼ばれ、興奮した交感神経を鎮静化し、心を落ち着かせ精神を安定化させる作用があります。
また、セロトニンは「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンの前駆体なので、セロトニンの生産量が増えるほどメラトニンが増え、質の良い睡眠が得られるようになります。

ナイアシンの原料

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ナイアシンは糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素のエネルギー代謝で補酵素として使用されるビタミンB群の一種です。
ナイアシンは体内で生産されるエネルギーの6割に関与するほど、重要な栄養素です。
ナイアシンは日本人の食生活で不足する栄養素ではありませんが、アルコールの分解の際に大量に消費されるため、トリプトファンを代謝してナイアシンを作ります。
トリプトファン60mgで、ナイアシンを1mg作れます。

トリプトファンの過剰摂取は避ける

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トリプトファンは普段の食事をしている限り、過不足なく摂取が可能です。
ただし、トリプトファンに睡眠効果があるからと言って、サプリメントなどで慢性的に過剰摂取すると、肝臓の脂質を変質し肝硬変の原因になります。

また、肝硬変になると肝臓でトリプトファンの代謝ができなくなり、脳内のトリプトファン濃度が増え、セロトニンが過剰生産されます。
その結果、脳の機能が著しく低下し、最悪の場合は昏睡状態に陥る危険性があります。
そのため、トリプトファンの摂取は1日当たり6000mg以下が望ましいとされています。

ゴマのトリプトファン含有量

ゴマは、トリプトファンを100gあたり370mg含有しています。
トリプトファンが多いとされる小麦たんぱくが100gあたり780mg、プロセスチーズが100gあたり291mgなので、ゴマの含有量が如何に多いかが分かるでしょう。

セサミンとは

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セサミンはゴマリグナンと呼ばれるポリフェノール性物質の1種で、油に溶ける脂溶性の抗酸化物質です。
セサミンはそのままでは抗酸化物質としてほとんど作用しませんが、体内に吸収されると肝臓に運ばれ、そこでカテコール体に代謝されると抗酸化物質として活性化します。
また、分子構造が女性ホルモンのエストロゲンと似ており、摂取するとエストロゲンと同じ作用が起こる植物エストロゲンの一種にも数え挙げられます。

セサミンとトリプトファンの関係

セサミンとトリプトファンは、睡眠とアルコール代謝で深い関係があります。
どのような関わりがあるのか、詳しく見てみましょう。

セサミンとトリプトファンは質の良い睡眠を確保する

睡眠とは

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睡眠は脳や体の疲れを取り、新陳代謝※2で体の機能を回復し、記憶の形成などを行う生理現象です。
脳は覚醒している間にエネルギーを消費し、大量の活性酸素※3を放出しています。
活性酸素は、細胞内でエネルギーを生産するミトコンドリアが、栄養素と酸素を取り込むと、その副産物として生産されます。

※2 新陳代謝とは、古い細胞を分解し、細胞分裂で新しい細胞に入れ替えることで、組織の機能を保つ生理現象のこと。
※3 活性酸素とは電子が欠損した物資として不安定な酸素のこと。他の物質と結合することで物質としての安定化を図るため、普通の酸素に比べ化学反応が早い性質があります。

活性酸素は脳の細胞にダメージを与えるので、脳は覚醒している間は常に酸化ストレスに晒されていることになります。
酸化ストレスの値が大きくなり疲労すると睡眠を誘発され、脳の休息が行われます。

睡眠中に活性酸素が除去される

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睡眠を取ると、脳の活性酸素を除去するSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)とグルタチオンが作用し、脳の酸化ストレスが減少します。
しかし、加齢などで脳の抗酸化物質の生産量が減少すると脳の酸化ストレスが取れず、質の良い睡眠が確保できなくなります。
また、質の良い睡眠が確保できず睡眠不足が続くと、酸化ストレスによる脳の神経細胞の死が増え、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの脳障害の原因になります。

「睡眠ホルモン」のメラトニンは抗酸化作用がある

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トリプトファンから作られるセロトニンを代謝して生産される「睡眠ホルモン」のメラトニンには、強力な抗酸化作用があります。
メラトニンが増えると睡眠が促されるだけではなく、睡眠中に脳内で発生した活性酸素を除去し、酸化ストレスを軽減することで脳の休息を確保します。
しかし、メラトニンの生産量も加齢と共に減少してしまいます。

セサミンは脳で作用する抗酸化物質を活性化する

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セサミンは、主に肝臓で抗酸化物質として作用する栄養素です。
肝臓では脳で作用する抗酸化物質のSODやグルタチンが生産され、また栄養素として小腸で吸収されたビタミンCやビタミンEなどが肝臓に運ばれてきます。
セサミンは、脳で作用するグルタチオンやビタミンEの抗酸化作用を強化する効果があります。

これらの活性化された抗酸化物質は脳に運ばれ、加齢で減少したメラトニンの抗酸化作用を補い、脳の酸化ストレスの軽減に役立ちます。
セサミンは間接的に脳の活性酸素の除去に効果を発揮し、トリプトファンと共に質の良い睡眠を確保し、脳の老化を抑制します。

セサミンとトリプトファンは二日酔いを予防する

二日酔いの仕組み

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酒類のアルコールは体内では毒物と見なされ、解毒機能のある肝臓に運ばれてアルコール脱水素酵素とアセトアルデヒド脱水素酵素で、無毒な酢酸と炭酸ガスに代謝されます。
アルコールの代謝の過程で生産されるアセトアルデヒドは非常に猛毒で、肝臓の組織と容易に結合して変質化させ、肝臓の機能を低下させます。
そのため、肝臓はアルコールの代謝を最優先に行い、肝臓の重要な役割であるエネルギーの生産や、神経毒になる体内で発生したアンモニアの無毒化などが疎かになります。
その結果、二日酔いに見られる疲労や頭痛、倦怠感などに見舞われます。

アルコールの代謝ではトリプトファンが消費される

詳しい説明(クリックで展開)

アルコールの代謝はアルコール脱水素酵素とアセトアルデヒド脱水素酵素が行いますが、生産が不足すると、ナイアシンが代役として大量に消費されます。
トリプトファンはセロトニンの材料ですが、体内でナイアシンが不足すると、セロトニンよりナイアシンを優先して生産します。
その結果、アルコールの代謝が促進され、二日酔いを軽減できます。

セサミンはアセトアルデヒド脱水素酵素を増やす

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日本人は欧米人に比べお酒に弱いと言われるのは、先天的にアセトアルデヒド脱水素酵素の生産量が低いためです。
セサミンはアセトアルデヒド脱水素酵素の量を3~4倍に増やす作用があり、アルコールの代謝を促進します。
その結果、普段よりもアルコールの処理が早まり、それに伴い肝臓の他の機能の回復も早まるので二日酔いの諸症状を緩和できます。

まとめ

ゴマに豊富なトリプトファンは必須アミノ酸の1種で、脳内ホルモンのセロトニンやメラトニンの生産とナイアシンの生産に関与しています。
セサミンとトリプトファンは脳の酸化ストレスを除去する効果があり、メラトニンやセサミンで強化されたビタミンEやグルタチオンが脳に発生した活性酸素を除去します。

また、セサミンとトリプトファンはアルコールの代謝を早める作用もあり、二日酔いの症状を緩和します。
セサミンとトリプトファンを豊富に含有するゴマは、あなたの脳と肝臓の機能維持に役立つ手軽な健康食品です。

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