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セサミンと肝臓の深い関係

セサミンと肝臓の関係とは?

ゴマから発見されたセサミンは、現在様々なサプリメントに採用されているほど健康効果の高い栄養素です。
ネットなどで検索すると、セサミンの様々な効果が紹介されていますが、その中でもセサミンと関係が深い体の器官が肝臓です。
今回は、セサミンと肝臓の関係についてお話します。

肝臓の役割

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肝臓は「生体の化学工場」と呼ばれ、1つの臓器で様々な役割を担う器官です。
肝臓は(1)糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素の代謝※1、(2)体に必要なたんぱく質や酵素の生産、(3)アンモニアやアルコールなど体に有害な物質の解毒、(4)胆汁の生産など、どれも生命の維持に必要な機能です。

※1 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質の物質に変えること。

セサミンは肝臓で抗酸化物質になる

セサミンはゴマリグナンと呼ばれる化合物の一種で、一般に脂溶性の抗酸化物質として紹介されています。
しかし、セサミンはそのままだと抗酸化物質としては不活性です。
セサミンは体内に吸収されると、門脈を通過し肝臓に運ばれます。
セサミンは肝臓でフェノール類のカテコール体に代謝されると、抗酸化物質して活性化します。
つまり、肝臓の代謝作用がなければ、セサミンは抗酸化物質として作用しません。
肝臓は、セサミンの抗酸化作用を発揮させるために必要な器官です。

抗酸化物資の役割

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抗酸化物質は、体内で発生する活性酸素の害から体の組織を守るために存在しています。
活性酸素とは電子が欠損した物質として不安定な酸素のことで、他の物質と結合することで物質としての安定化を図ります。
そのため、普通の酸素に比べ化学反応が早く、体内の様々な組織と結合し、組織の機能を劣化させます。

例えば、脂質を過酸化脂質に変質させ分解し難くしたり、細胞分裂で遺伝子情報を司るDNAやRNAを損傷したりします。
また、細胞を傷つけ炎症を起こし、炎症を起こした組織は繊維化して固く脆くなってしまいます。これが血管で起これば動脈硬化の原因にもなります。
活性酸素は、一部免疫機能でウィルスの駆除にも使用されますが、大抵の活性酸素は人体に有害です。
そのため、体内では抗酸化物質を作用させ活性酸素の害を予防します。

活性酸素が発生する理由

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活性酸素は、紫外線を浴びたり、体内でエネルギーを生産したりすると発生します 紫外線は貫通力が強い電磁波で、皮膚を通過すると細胞内にある酸素の電子を弾き飛ばし活性酸素を生み出します。

また、細胞内のミトコンドリアのクエン酸回路は、栄養素と酸素を取り込んでエネルギーを生産します。
その取り込んだ酸素の0.1~2%が、活性酸素になります。
一説では、体内には60兆個もの細胞が存在していると言われているので、毎日膨大な数の活性酸素が体内で生産されていることになります。

活性酸素の8割は肝臓で生産されている

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肝臓は、生体のエネルギーを生産する器官です。
また、肝臓は酸素を運ぶ赤血球の主成分であるヘモグロビンの材料となる鉄の貯蔵も行います。
鉄は酸化しやすく、酸化した鉄は活性酸素を放出します。
そのため人体で発生する活性酸素の8割が、肝臓で生産されていると言われています。

肝臓は抗酸化物質も生産する

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肝臓は摂取した栄養素を代謝し、グルタチオンやSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)などの様々な抗酸化物質を生産しています。
また、食物で摂取する必須栄養素の中のビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどは、抗酸化物質として作用します。
肝臓はこれらの抗酸化作用を活用し、自らが発生させる活性酸素の害から体の組織を守っています。

肝機能の低下は活性酸素の増大を招く

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しかし、加齢やストレスなどが原因で肝機能が低下すると、体内で生産される抗酸化物質が減少します。
また、肝機能が衰えると肝臓内で脂肪が蓄積し、脂肪肝になります。
脂肪肝になると、肝臓で生産される中性脂肪や悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールの分泌が増え、血液がドロドロになるので動脈硬化のリスクが高まります。

肝臓内で抗酸化物質が減少すると、肝臓で活性酸素の量が増え、肝臓に蓄積した脂肪を過酸化脂質に変質させます。
脂肪が過酸化脂質化すると分解され難くなるばかりか、自らも活性酸素を放出するようになります。
その結果、肝臓の組織に炎症を起こし、肝炎を発症させます。
肝炎は自覚症状がほとんどないので、そのまま放置すると肝臓の組織が線維化し肝硬変に進展します。
肝硬変になると治療が困難になり、健康上重篤な事態を招いてしまいます。

セサミンは活性酸素から肝臓を守る

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セサミンは肝臓で代謝されることで抗酸化物質として活性化し、肝臓で発生する活性酸素の害から肝臓の組織を守ります。
また、セサミンは脂溶性の抗酸化物質なので、肝臓に蓄積した脂肪に侵入し、脂肪の過酸化脂質化を予防すると共に、肝臓内に長く留まります。
セサミンの抗酸化作用で肝臓の脂肪が過酸化脂質化しないと、肝臓の脂肪はエネルギー源として代謝されやすい状態が保たれます。

セサミンはコレステロールを下げる

セサミンは、肝臓で生産されるLDLコレステロールの合成を阻害する作用があります。
しかも、同じ脂溶性のビタミンEであるα-トコフェロールと一緒に摂取すると、より顕著な効果を発揮します。
しかも、セサミンの量は一定でも、ビタミンEの濃度が濃くなるほどその作用が強化されることがラットを使った実験で示唆されています。
また、ラットを使った実験では、セサミンは小腸から吸収されるコレステロールも阻害する作用があることが明らかになっています。

セサミンはアルコールの代謝も促進

肝臓はアルコールの代謝を行う

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肝臓は、酒類に含まれるアルコールを無毒化する器官です。
アルコールは体内で毒物として認識されるので、摂取したアルコールは血液を通じ肝臓に運ばれます。
肝臓でアルコールは、アルコール脱水素酵素でアセトアルデヒドに代謝され、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素で酢酸と炭酸ガスに代謝され、無毒化されます。

アセトアルデヒドは非常に猛毒で肝臓の組織と結合しやすく、結合して変質化した肝臓の組織はその機能を失います。
その結果、肝臓の機能が低下し、エネルギー代謝能力も低下するので肝臓に脂肪が蓄積しやすくなります。
この被害を避けるために、肝臓は膨大なエネルギーを費やし、アルコールの代謝に専念します。

セサミンはアセトアルデヒド脱水素酵素を増やす

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セサミンは、アルコール代謝で重要な役割を担うアセトアルデヒド脱水素酵素の量を、4~5倍に増やす作用があります。
一方、アルコール脱水素酵素には作用せず、その量も増えることはありません。
アセトアルデヒド脱水素酵素が増えれば、それだけ早くアルコールの無毒化が促進されるので、二日酔いが軽減し、アルコール類の過剰摂取による肥満も予防できます。

まとめ

セサミンと肝臓はとても関係が深く、お互いに助け合う唇歯輔車(しんしほしゃ)の関係にあります。
セサミンは脂溶性の抗酸化物質ですが、肝臓で代謝されないと抗酸化物質として活性しません。
一方、肝臓は体内で生産される活性酸素の8割を発生させるので、セサミンの抗酸化作用は肝臓の機能を助ける効果をもたらします。
また、セサミンは肝臓で生産されるコレステロールや、食事で摂取するコレステロールを低下させる作用もあります。
さらに、セサミンはアルコールの代謝も促進するので、肝臓の脂肪を減らし、生活習慣病の予防に役立ちます。
肝臓は、生体維持に様々な役割を担う重要な器官です。
毎日セサミンを摂取すると、肝機能が改善され、健康維持に効果を発揮します。

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